スポーツ障害

競技の名前が付くランナー膝について解説

こんにちは!ペルレ整骨院の吉尾です。
最近は、運動にジョギングが推奨され、多くの方がジョギングする方が増えております。また、テレビでも駅伝やマラソンが行われる時期になってきました。
そこで、そのようなランナーが患うランナー膝についてお話ししていきたいと思います。

ランナー膝とはどんな疾患?

スポーツ障害の一つとして挙げられる疾患にはいくつかあります。テニス肘、野球肩などもその中に入り、競技の名前がついているのでわかりやすいですね。
では、ランナー膝とは、どういう疾患のことを言うのでしょうか。名前に膝とついてますので、膝周辺の疾患だろうと、どなたでもお分かりになるでしょう。
ランナー膝の別名は、「腸脛靭帯炎」と言います。ではなぜ、腸脛靭帯炎が起きるのかと言いますと、骨盤から股関節、膝関節を超えて脛骨に付着しているのですが、膝を曲げ伸ばしする動作で、大腿骨が膝の関節に近い部分に大腿骨外側上顆と言う骨が出っ張った箇所があります。以前のブログでお話しした手首のドゥケルバン病で腱を痛めるのに似ていますが、腸脛靭帯も外側上顆と言う盛り上がった部分で摩擦が起きて炎症を起こしてしまうのです。長時間走るマラソンの選手が痛めることが多いため、ランナー膝と言われるのが由縁です。また同様に、長距離の自転車競技などの選手も長い距離を自転車を漕いで、股関節、膝関節を曲げ伸ばししますので、この疾患になる人が多くいます。

グラスピングテスト

腸脛靭帯炎を起こしている場合のテスト法としましては、膝を曲げた状態で大腿骨外側顆と言う膝関節の少し上のところさらに2〜3センチ上部のところを圧迫します。その状態で、膝を伸ばしていく時に痛くて伸ばせない時は腸脛靭帯炎です。

腸脛靭帯とはどんな働きをするのか

それでは、腸脛靭帯について話していきたいと思います。解剖的に腸脛靭帯は、大腿筋膜張筋が骨盤の上前腸骨棘(ASIS)から大腿骨の外側を走行して腸脛靭帯となり、脛骨外側顆の前面(ガーディー結節)に付着します。

腸脛靭帯の作用としましては、股関節を中臀筋、小臀筋と連動して外転、内旋に働きます。大臀筋と連動するとやはり外転に働き、大腿直筋と連動して股関節屈曲に働くという臀部から大腿部の筋肉を介して多くの動きに作用します。脛骨の外側に着くので、脛骨を外旋にも働き、伸展時は、膝関節をしっかり安定させます。

ランナー膝の注意点

ランナー膝になるのは、前述したように長時間足を曲げ伸ばしするような競技ということを申し上げましたが、それは下肢のアライメントにも問題があるようです。
例えば、O脚であったり、扁平足、回内足だったりする人は余計に外側上顆への摩擦が大きくなりやすい傾向にあります。実はこの疾患は、腸脛靭帯のストレッチも大事なんですが、回内足などの問題で起きるとも言われるので、非常に足部の使い方は重要です
急にO脚や扁平足が治るわけではありませんから、歩き方、体重のかけ方などを矯正したり、足部をしっかり使えるようにトレーニングを行うようにしていきましょう。
足部の使い方は、以前動画『足首を捻挫した時の応急処置と対処法』で紹介した、タオルギャザーや足のグーチョキパーなどの運動も良いと思います。

まとめ

陸上部の学生さんや、一般の方でもジョギングを行なっている方で、膝の関節の外側あたりで痛みが出ている方がいらっしゃいましたら、ランナー膝かもしれません。そのような疾患で何かお困りでしたら、いつでもペルレ整骨院・鍼灸院にお問い合わせいただければと思います。

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