こんにちは!ペルレ整骨院の吉尾です。
今回は「歩行」についてお話ししていきたいと思います。
腰痛や膝関節や股関節に痛みをともなう方がその痛みを引き起こす原因として、歩行の問題(姿勢、歩き方)から影響があると考えるからです。
では、少しお時間をいただきながら解説していきます。
歩行のメカニズム
いつも姿勢が大事であることはお伝えしておりますね。
立っている時、座っている時など動いていなくてもバランスが大事で、その際の姿勢が悪ければ歪みが強くなって体に支障が出てきます。
歩行でも同様に姿勢やバランスが大事になってきます。人間は2足歩行でアンバランスな状態で「歩行(移動)」します。基本的に歩行は意識的に行われる動作ですが、通常は細かいことを考えながら歩くことはしていません。例えば、「脚を前に出して踵をつけて」「反対側の脚をゆっくり移動させてつま先で地面を蹴って」など考えて歩くことをしていませんよね。ほぼ無意識で歩行しています。
基本的に歩行の一連の動作を「歩行周期」と言います。大きく分けると脚が地面に接地している「立脚期」と脚が地面から離れている「遊脚期」に分けられます。
この歩行周期に上半身の正しい姿によって、下半身にかかる過重とバランスが負担をかけない歩き方につながっていきます。
まずは、以下のような姿勢を意識しながらウォーキングを行い、正しい歩き方を覚えていくと良いでしょう。前述したように、正しい歩き方を覚えるには最初は意識して歩くこと、それが身についてくれば無意識に正しく、美しい歩き方ができるようになっていきます。
次の項目では、足部の構造と歩行に必要なストレッチや筋トレについてお話ししていきます。
足部の構造
歩行時に体のどの部分が地面についているのかはお分かりかと思いますが、地面に接地している足部のサイズは、成人で大体20〜30センチぐらいの範囲と思います。その数十センチほどの面積である足部が体全体を支えています。その足部は28個の骨と内在筋、足底腱膜などの軟部組織で構成されています。そして母趾球、小趾球、踵の3点を結ぶアーチ構造になっています。
地面は必ずしも平ではありません。その凹凸や傾斜などを足の裏にある内在筋がメカノレセプターと言うセンサー的な役割(感覚受容体)をしており、瞬間的に転倒もせずに動くことができるんです。
あまり意識はないでしょうが、この内在筋をしっかり使われてないことで、バランスが悪くなってしまいます。それが原因となって、膝関節や股関節、または腰に負担がかかって痛みが生じることになってしまうわけです。スポーツ選手などではシンスプリントやふくらはぎの肉離れなども起こしやすくなります。
足部のストレッチ
では、足部の重要性をお分かりいただいたところで、簡単にできる足の運動をお教えしていきます。
先ほど言いました足部の内在筋の一部について下図で確認していただきましょう。
このように足裏や中足骨の間にも筋肉があるのですが、これらの筋肉を具体的に動かしている人はあまりいないでしょう。こういう筋肉をしっかり使えないと筋力が弱り、先程申し上げたメカノレセプターが働かずバランスが悪くなります。しっかり足の裏全体を使って、地面を掴むようなイメージで使えるようにしていきましょう。
まず足裏の筋肉を鍛える運動として、タオルギャザーという運動があります。
- 椅子に座って目の前の床にタオルを引きます。
- タオルの上に脚を置き、足裏でそのタオルをたぐり寄せるように手前に引き寄せます。
この運動は足首の捻挫でもよく行われる運動方法ですので、足部のリハビリとしても効果的です。
次に、骨間筋をストレッチする運動です。
- 椅子に座って片脚を反対の足の上に乗せる。
- 足の指の間に手の指を入れた状態で足首をグルグルと回す。
- 合わせて足の指をそらしたり、曲げたりして下腿部のストレッチも行う。
- できれば、足のグーパーなどの運動もやりましょう。
カーフレイズ
もう一つ筋トレとして、カーフレイズという運動をお教えいたします。
これも簡単なので、合わせてやってみましょう。
最初はバランスを崩して痛めないように椅子や壁に手をついて行ってください。
- 椅子の背もたれに手を置いて立ちます
- 両足でつま先立ちをする
- ゆっくり足部を床ギリギリまで下げます。ここで、踵は床につかないように浮かせた状態でキープ
これを繰り返します。できれば30〜50回ぐらいできれば良いでしょう。基本的に下腿部(腓腹筋、ヒラメ筋)のトレーニングです。両足で楽にできるようになったら、片足でやってみてください。バランス性を養いたい方は何も掴まずやってみてください。ただやりすぎて筋肉を痛めたり、転倒したりしないように気をつけてくださいね。
まとめ
仕事での長時間の座り姿勢の問題は以前にもお話ししていますが、歩く際の姿勢やバランスも大変重要です。足部、ふくらはぎの筋肉がしっかり使えることで良い歩き方ができ、腰や膝、股関節に対して負担を軽減できます。モデルさんの歩き方が良いというわけではありませんが、歩行の際の姿勢も猫背で歩くことは見かけ上も良くありません。年齢とともに歩き方によって老けて見えないように、若々しく胸を張って歩くことを意識してください。最近の仕事の流れでは、テレワークが増え、家で過ごす時間が多くなっています。最低限ウォーキングなどの運動習慣と、その際の正しい歩き方を意識してみてください。
大事なことは、痛める前に痛めない習慣を身につけることも重要です。
今日もブログを最後までお読みいただき、ありがとうございました。